本革アイテム、試作中

桜餅ポーチ/1stサンプル

前回、仕込みをした分の本革アイテムが完売いたしました!
お求めくださり、そしてご愛用下さり誠にありがとうございます。

一部のパーツを手染めで作った子たちは
拙くはあれど、とても愛着のある作品で、大切。
これからも、改良し
定番として作り続けていけたらと、
思っています^^

新作や定番の改良のため、本革アイテムの制作は
一旦お休みいたします。乞うご期待!!!

*布物は、変わらず制作中です^^*

現在、次なる革を仕入れるために
以前から使用している「やさしい革」はもちろん、
白く柔らかい国産豚革を求めて、
墨田のタンナーさんに相談したりしています。



おにぎりや桜餅など、
私のアイテムに必須の、白とピンク。

前回はタンニン革の上に、
顔料を混ぜた塗料を
白粉のようにポンポンと手染めして

作品として、これは納得している。

ただ、定番の商品として
安定して作っていける様な、
堅牢度や耐光、摩擦などの
データを出ているわけではないので

手染めの作品は
イベント時に数量限定で。

webshopやデパートでは、
タンナーさんから仕入れた色革を使用。

という形で、今後は
展開していこうと思います。


白とピンク
実は、この明るい色の革を
作ったり染めたりは、
相当難しいそうで、、、

皮を革にするナメしの方法は、主に
「タンニンなめし」と「クロムなめし」
の2種類ですが、基本、

タンニン → 地色が淡い黄色
クロム → 地色が淡いブルー

黄色やブルーの上に、いくら
色を重ねても白にはならず、、
タンナーさんそれぞれ、独自の
技法で、白い革の開発に苦戦している。

皮の個体差、部位の差、気温、湿度、
環境や人体への配慮など、
想像するだけで、無限ループになる
難しさで、本当、尊敬します。
本当、すごい。



尊敬と感謝を込めつつ、
中村貿易さんで
購入したピッグスエード ↓

ノンクロムの革に染めた、
パステルスエードです。

早速、手持ちの革と合わせて
桜餅ポーチを試作してみました
(冒頭の画像のもの)

スエードは初めて使いましたが
色や手触りが、ほっこりしている。
中村貿易さんは、色数が豊富なので
ここ数年、頭の中にある
「練り切りポーチ」
が作れるやもしれん?!

練り切りって、大きくなると
可愛いのか?という
疑問が出てくるが
でも、逆に大きい事で
ちょっとグロくなって
面白いかもと期待してみたり、

レザーフェアでぐいぐい相談した
タンナーさん(ご迷惑かけてたらどうしよう、、ていうか100%ご好意で受けてくださった。すみません。。)にお願いした白い革も今週受け取りに伺うし、

天然物の鯛焼きを焼いた
「やさしい革」の
タンニン生地で、
回転焼きと、せんべいも
作る予定なのですよ。

「やさしい革」のこげ茶と
ピッグスエードで、
栗饅頭のポーチも作りたいし、

やりたい事が大渋滞している。
楽しみにしていていただけたら、
幸いです!!!

おにぎりトート/オキシクリーンで洗う

前回のブログで書きました、
オキシクリーン。

種類があったので「オキシクリーンEX」
を購入、早速試してみました。

ブログにするのが遅くなってしまいましたが、、

今回、洗う様子を、

定点動画で撮って見たのですが

結果、延々とただ洗っている。

という感じで笑
わかりにくかったので、

使って見ての感想を
文章でまとめる事に。

今回は、汚れが目立っていた
持ち手の、部分洗いをしました。

汚れ部分を、先に水で濡らしておき
ペースト状にしたオキシクリーンを塗布。
(上画像のピンク丸を参考にしました)

ブラシで汚れ部分になじませて、
5分放置、すすぎ。

塗布した箇所の境目が、

輪染みにならぬよう

ペーストに、水を足して
境目にブラシで塗布、5分待ち、すすぎ。

その後、もう少し薄くした液で
黒い部分以外の、全体をブラシで
洗って、すすぎ。

洗剤が取れるまで、数回すすぎ。

タオルドライ

形を整えて、

陰干し。

形を整えて、逆さに干すといい感じ。

結果は、いやあ
さすが、白くなります!
ウタマロ(固形。液体はまだ試してない)
も、白くなるけど
オキシクリーンもすごい。

帆布生地は
このように、

汚れの気になる箇所を
部分洗いしていくのが、

愛着も湧いて、良い
お手入れ方法なのかもな。

おにぎりトートのお直し

**********************
オキシクリーンを、おにぎりトートお洗濯に
使用する際は、汚れ箇所に直接洗剤をつけて
こする、「部分洗い」をおすすめします。

色移りの原因となりますため、「全体洗い」での
オキシクリーンのご使用はお控え下さい!
**********************

オキシクリーンを使用して
おにぎりトートをお洗濯されたお客様
より、色移りのご相談をいただきました。

お客様のおにぎりトート

お湯を使ったのも原因なのかも?
とおっしゃっていたのですが
干している間に、
じわ~っと黒い色が染み出して
広がってしまったとの事です。

ポケット部分から黒の染料が滲み出てます

色柄物もある程度まで大丈夫
と謳っているオキシクリーンですが、、

オキシクリーンなどの
「弱アルカリ性」洗剤は、
生地の繊維を緩ませて
汚れを出してくれるのですが、
繊維に絡めている、染料も
一緒に出やすくなるんですよ、、
(なんとも、上手くいかんもんです)

おにぎりトートに使用している
カラー帆布も、黒で染めてあるので
全体洗いは「中性」洗剤をおすすめしています。

*念のため、縫製前に水通しをして
余計な染料を抜いたりと、
通常のお洗濯での色移りは、ほぼ
大丈夫なレベルにしているのですが、

『オキシ+お湯』パワー、
おそるべしです。。。*

おにぎりトートを分解したところ

今回は、おにぎりトートを分解して
本体部分を新しく交換する事に。
古い方の本体は、お直しの研究材料
(染み取り方法や、洗濯方法の実験)
に使わせていただきます。

新たに縫製^^

ポケットについた線に沿って、
組み立て直していきます。
ポケットのクタッとした感じから、
このおにぎりちゃん、沢山大事に
使って頂いていたんだなと、
伝わってくるのですよ。嬉しい。。

*ちなみに、今回のお客様からは
沢山使ったし、お直しなんて申し訳ない
と、最初はご辞退いただいたのを
私が、やや強引に修理しました。

仕上がりました!

お直しした、おにぎりトートは
またお客様の元へお返しし、
お使いいただいています。

*****************
いままで、お洗濯方法の記述を
上履きに例えていたのですが、
そしたら、今の時代なら、
オキシ使おうってなるなあ、、、

お洗濯事情の変化とともに、
お手入れ方法も変わってくるなあ。

私は、洗剤の専門家ではないので
詳しい成分を見ることはできないのと、
水や洗剤の量、温度などでも
結果は変わってくるので
絶対大丈夫、などは
言えない事が多いですが。

お勧めしている固形石鹸も
弱アルカリなのですが、白い生地の
部分洗いに使用するのは大丈夫。
オキシも、部分洗いはOKだと思う。

オキシクリーンを購入してみたので、
今週末は、自分のおにぎりトートで
部分洗いを試してみようかな。
晴れたらいいなあ。

結果はまた、こちらに書きますね^^

おにぎりトートお手入れ方法おまとめ

お客様から、おにぎりトートの
お手入れ方法でお困りとの
ご連絡をいただきましたので
今一度、こちらにまとめてみました。

***
定番のおにぎりトートに使用している
生成りの帆布は100%木綿素材。

生活とともに、ちょっとずつくたびれていく感じが
味わいがあって、とても好きなのです。

とはいえ、使用頻度や使う環境で、汚れ具合が違って参りますため
お手入れが大変/おにぎりの色がくすむのはちょっと、、という方には
雨の日おにぎりトート『S』*帆布コーティング仕様
https://www.coqu-maho.com/items/44584204
をお勧めしています^^
M/Lサイズをご要望の方は、直接ご連絡ください!

**************
帆布お手入れのコツ/おまとめ
**************
【汚れ予防】
防水/撥水スプレー使用で、
汚れやシミ防止になります。

ご使用前はたっぷりと、
また季節ごとに、定期的に
スプレー塗布をお勧めいたします。

【白色帆布の部分:汚れ落とし】
持ち手部分などの皮脂汚れは、
汚れ部分を水で濡らし、
洗濯石鹸+ブラシでこすって、
汚れを浮かした後に
水やで充分にすすぎます。
(縫い目は避けてこすってください)

汚れがひどい時は、ウタマロなどの
蛍光剤入り使用お勧めです。
(使いすぎ注意、程度を見ながら)

すすぎ後は、
タオルである程度の水分を拭き、
形を整えて陰干し。

全体の軽い汚れは、
「中性洗剤」を使用して下さい。
*****************

洗濯機使用の際は、バッグの中に
バスタオルなどを詰めてネットに入れて、ドライクリーニングモードで行ってください。
洗剤少なめ/水多め/脱水なし、または1、2分程度でストップ/
形を整えて、日陰で充分に乾かす。

*サンプル制作時の、洗濯実験や細かなことを
ブログ記事にまとめてありますので
もしよかったらごらんください↓
https://www.coqu-maho.com/blog/2018/01/05/142512
https://www.coqu-maho.com/blog/2018/11/05/213751
https://www.coqu-maho.com/blog/2018/11/06/132557
記事は2018年当時のものとなります。

エアバッグで疲労困憊した話

量産のお仕事で、
エアバッグとの廃材を扱ったので
その、素材に関する忘備録となります。
(ご依頼のお品なので、意匠や用途の具体的な記述は無しです。)

1週間の予定で行なった作業ですが
下記の通り、予想以上の困難で
倍の日数かかってしまいました(T ^ T)

*****
[山ナ鞄]のアイテムを
お待ちいただいているお客様には
通常より、お届け日にちを
いただいてしまい
大変申し訳ございません、、、
本日より、通常作業に戻ります。
焼き上がり次第、
順次発送して参りますので
今しばらくお待ちください。
*****

まず、最初に結論を言うと
私の作業スペック(工業用厚物ミシン/最大糸8番ー針25号)
で、1点ものは作れど
「量産」はギリギリアウトな
素材でした (T ^ T)

*****
糸の番手は
数が少ないほど太くなり
針は数が大きいほど太くなります。

お洋服は糸90〜50/針9〜11
お財布や鞄は糸20〜8/針14〜19
を、通常使用します
(モノによって、少し変わります)

忘備録のため、わかりにくい表現や数字が多くなります、すみません、、
*****

サンプルを制作した時点
(20番糸で2個/8番糸で1個制作)
では、糸調子が難しいというか
時々糸が生地に引っかかるのと

厚みに対して、
かなり硬い感じだなと思ったけど

20番糸/16番針
8番糸/18番針で縫えたのと、
仮止め用の両面テープ/熱粘着シートも
きちんと付いたのですが

いざ、黒40白40の
量産作業を開始したら

一枚一枚の個性が違いすぎて、、
いや〜、絶対になりたくない
やんちゃクラスの担任を
受けてしまった感じというか。。。

具体的に言うと、
糸調整が、一枚ずつ異なる
両面テープがつく/つかない
粘着シートがつく/つかない
両テと粘着の両方使いでOK
両方でもダメ。
などの違いが、作業をしていて
どんどん出てきて

染料(黒色は染料の粒が多くて、縫いの邪魔になる時がある)のせいか?

生地かな???
生地は、黒だと見た感じで
トロミ/ゴワ/ゴワゴワ/ちりめん
トロミ→縫いにくい/ちりめん→縫いやすいという感覚。
ゴワやゴワゴワは、縫えるけど仮止めに難あり
の傾向だけど、その分類内で
予想できない事も、沢山あるから、、、

エアバッグを解体する際に
使用した、なんらかの汚れだったり
薬品だったりの付着が原因???

など、試行錯誤しつつ
でも納期があるので、
とにかく仕上げなければ。と、
量産なのに、1点ものを沢山作る。
という動きを、しつつ

うっすら
トロミが悪い???
と思いつつ

なんとか黒を納期内に仕上げ、、

白の作業に入った段階で
白は、見た感じが全て似ているし
もし、染料が原因なら
もう大丈夫!!!?!

と、縫ってみたところがこちら↓

8番糸/目飛び防止針21番
同じ糸調子で縫った所、

上から、見事に
縫える

糸のほつれあり

縫えない

と、なんとまあ!
綺麗な縫製サンプルが
取れましたよ!0_0!

****

これは、完全に
生地自体に原因がある。
そして、それは多分トロミ。

でも、白はほんと
ぱっと見、ほぼ同じ。
トロミもゴワもゴワゴワも
判別ができないーーーーー!!!!!
(唯一、ちりめんはわかる)

*****************
ちょっとこれでは作業ができません
だってサンプルと違う子がいる。
そして、それがどれだかわかりません
*****************

という理由で
納期を延ばしてもらいつつ
自分の作業所ではない、
スペックの高い場所で
作業をさせてもらい、
昨日、やっとなんとか
80枚仕上げて参りました。

ミシン屋さんや糸屋さん
糸会社の友人などに
相談して、白の打開策は

隠れトロミ素材に合わせて
全てを糸8番/24番チタン針
(画像のはチタンではないけど)
を使用したのだけど

一番重なる部分は、見えない箇所を
先に、手で穴を開けてやっとという。
いや〜、恐ろしい。

24の針は、初めて使用しました。
針の部分が2ミリくらいで、
5番や0番糸で使うやつです。
厚物ミシンでもギリ入るけど、
もう一つ大きなミシン(極厚物)
でないと、ちょっと厳しい太さ。

糸屋さんに、24なんて使ってたら
ミシンおかしくなるよ。と、

ハイテク素材、恐ろしや、、、

画像の上から
ゴワ/白トロミ/黒トロミ/ちりめん
サンプルは、
一番縫いやすいちりめんと
かたいけど縫えるかなのゴワでした。

4分の1強の確率で入っていた
トロミちゃん。
サンプル時に、何故使用しなかったのか、、
敗因のひとつだなあ。。

縫えないトロミ生地は、
端からほつれてくる
繊維が、ナノファイバー的に
見たことない細さで、
引っ張っても、
決してちぎれることは
ないのです。

こんな感じに観察したり、
調べたりして
今のところ思うのは

エアバッグに使用されているのは
ナイロン66という超素材で、
時代によって、
樹脂コーティングしたり
細かい繊維を、熱加工で
均一に縮めたりして、防気性を高めたりと
常に、最先端のハイテク技術が
詰まって要るわけで。

廃車の車から取り出すエアバッグは
車種や年式もバラバラで
その時代や車両のサイズに合わせた
用途で開発されてきた素材は
そりゃ、個性がでるわな。

そして、そもそも
防気性の強い素材に
太い針で穴を開ける自体
まあ大変な事ですよね。

人を守る素材のすごさを
一心に受けたこの2週間で
相当なダメージを受けて
疲労困憊、、トホホです
(七日目あたりが特に)

見た目に反して
いや見事に騙されたというか、
自分の中の、
危険信号が働かなかったのは
修行が足りてないんだなあ、、と
結構凹んだ2週間でした。。。

あー、でもとりあえず
仕上がってよかった!!!

しかし、糸の素材を変えたら
もしかしたら縫えるのか???
ロックミシンは難なく使えたので
もっと適した縫製方法が
あるのでは?

もし、自分の所で縫えるのなら
おにぎりお買い物バッグの
素材に使ってみたいぞ!

と、通常仕事に戻った瞬間に
こんな感想が頭に浮かぶ
懲りていない自分がいて、、
ちょっと、怖くもあります。

『お財福2021』制作

こんにちは、[山ナ鞄]です。
「身近にある、ほっこりであたたかを形にする」
をテーマに、モノ作りをしています^^

昨年、creemaspringsで作った『お財福』
ウェブショップなどでの、展開準備をしています。

『栗』や『おにぎり』『お餅』の、外側は
あまり変わらないように。

でも、スマホみたいに
内側の仕様は生活様式の変化とともに
アップデートしていくお財布となる様に、
年式を入れてる事にしました^^
かと言って毎年変わるというより、
数年に一度、
バリエーションが増えていくというイメージ。
この年式のが自分には使いやすいな。
という様なご感想を頂けるのが、
未来の夢です😆

なので、creemaspringsで作ったものは
『お財福2020』
今回のは、『お財福2021』

型紙(というか金型)作るの、ちょっと大変そう^^;
とか、頭がこんがらないかな??とか
いろいろと、課題が多いのですが笑
楽しそうなので、、まあいいか^^

『お財福2021』は

持ち歩く小銭の量が、減ってきたけど
八百屋さんや百均など、電子決済ができない
ところでの買い物が重なる時は、
急にじゃらじゃら増えるよ。
という方に向けて
形をお作りしています。

常備する少量の小銭は、
上部のポケットを使用して。
イレギュラーな小銭は、
中央の仕切り(ファスナーをつける予定)
に収納できるように。

小銭のスペースを、上下に分ける事で
カードを入れるスペースが
広くなるのも、良い所。

『お財福2020』は
上部がデッドスペースになっていたのです ↓

*この、デッドスペース問題から
今回の『お財福2021』が出来上がってきたのですが
『2020』のサンプルに大胆に
ステッチをかけたり、いろいろと
勇気のいる作業をしたのだけど、
とても勉強になっている。

(2020のサンプルは、この後修正しました^^)

いやあ〜、形を作り出すのって難しい、、、
毎度毎度、手が遅いなあと思いつつ、

もうひと踏ん張りで、仕上げていきます!!!