RUSSETY FACTORY見学

[山ナ鞄]のアイテムに使用している、
RUSSETY LEATHER 山口産業さんの、
工場見学が再開されたとの事で、
さっそくお邪魔してきました。

以前伺った工場横の事務所は、
リノベーションで素敵な空間に^^
いろんな動きがストップしていたコロナ渦ですが、
だからこそ新しい動きも、できたのかもしれません。

工場を見学する前に、そのリノベーションした2階の空間で、
『獣革の知識や活用法』の講座にも参加しました。

受講者は私と、獣害と革について研究している学生の方と猟師の方の、三人。


山口産業さんは、私が使用している
国産豚革のみならず、

やさしい革の約束の一つ、
MATAGI PROJECT にて、
獣害対策で廃棄されてしまう
鹿や猪などの皮を扱っていて
それにも興味があって、参加した次第。


講座を受ける前は、
最近はジビエ肉も浸透してきているし、
革の活用も進んでいるのでは?
と思っていたのですが

いやいや、いやいやいや、
聞けば聞くほど、なかなか
うまいこといかんもんですなあ。

食肉やペットフード利用は、
場所や地域にもよるだろうけど、
捕獲量の1割いくかどうかで、
さらに革の利用は、更に少ないとの事。

もともと、農作物への被害対策なので
食肉や革への利用を念頭にした
捕獲の文化が、日本になかったそうで

一緒に参加した猟師の方は、
古い日本文化の中で、
目上の方に失礼の無いように
改善できる方法を探る大変さを
話してくれました。

でも、今の社会にあった
新しいシステムを、
いろんな立場の方が、
少しずつ構築していると
知る事が出来てよかった。

私は、革をアイテムにする立場なので、
「素材を選ぶ」そして、「素材の良さを
伝える」という責任があるのだな。

素材を活かす責任もしかり。

獣革でのアイテムも、展開したく
いろいろと勉強の日々です。

講座の後に、
工場をぐるりと見学。

鞣す豚革は
いつも、届いて開封するたびに
良い匂いがするのだけど、
工場内は、まさにその匂いがして
びっくりしました。

たぶん、これがRUSSETY の
渋の匂いなんだろうなあ。

工場2階では、クラストという状態の
豚革が干されていました。

クラストとは、色や仕上げ加工をしていない状態のもので
『天然物たい焼き』では、この革を使用しています。

見学の後、さっそく何枚か
革を購入しました。

ベージュと緑とクラスト。

ベージュは、玄米おにぎり。
緑は、桜餅や柏餅の葉っぱ。

クラストでは、たい焼きのほかに
どら焼きや大判焼きも予定している。

もう少し手を動かして、
秋には販売開始できるかな?

本当に作りたいものは
時間がかかりますね、、、

本革アイテム、試作中

桜餅ポーチ/1stサンプル

前回、仕込みをした分の本革アイテムが完売いたしました!
お求めくださり、そしてご愛用下さり誠にありがとうございます。

一部のパーツを手染めで作った子たちは
拙くはあれど、とても愛着のある作品で、大切。
これからも、改良し
定番として作り続けていけたらと、
思っています^^

新作や定番の改良のため、本革アイテムの制作は
一旦お休みいたします。乞うご期待!!!

*布物は、変わらず制作中です^^*

現在、次なる革を仕入れるために
以前から使用している「やさしい革」はもちろん、
白く柔らかい国産豚革を求めて、
墨田のタンナーさんに相談したりしています。



おにぎりや桜餅など、
私のアイテムに必須の、白とピンク。

前回はタンニン革の上に、
顔料を混ぜた塗料を
白粉のようにポンポンと手染めして

作品として、これは納得している。

ただ、定番の商品として
安定して作っていける様な、
堅牢度や耐光、摩擦などの
データを出ているわけではないので

手染めの作品は
イベント時に数量限定で。

webshopやデパートでは、
タンナーさんから仕入れた色革を使用。

という形で、今後は
展開していこうと思います。


白とピンク
実は、この明るい色の革を
作ったり染めたりは、
相当難しいそうで、、、

皮を革にするナメしの方法は、主に
「タンニンなめし」と「クロムなめし」
の2種類ですが、基本、

タンニン → 地色が淡い黄色
クロム → 地色が淡いブルー

黄色やブルーの上に、いくら
色を重ねても白にはならず、、
タンナーさんそれぞれ、独自の
技法で、白い革の開発に苦戦している。

皮の個体差、部位の差、気温、湿度、
環境や人体への配慮など、
想像するだけで、無限ループになる
難しさで、本当、尊敬します。
本当、すごい。



尊敬と感謝を込めつつ、
中村貿易さんで
購入したピッグスエード ↓

ノンクロムの革に染めた、
パステルスエードです。

早速、手持ちの革と合わせて
桜餅ポーチを試作してみました
(冒頭の画像のもの)

スエードは初めて使いましたが
色や手触りが、ほっこりしている。
中村貿易さんは、色数が豊富なので
ここ数年、頭の中にある
「練り切りポーチ」
が作れるやもしれん?!

練り切りって、大きくなると
可愛いのか?という
疑問が出てくるが
でも、逆に大きい事で
ちょっとグロくなって
面白いかもと期待してみたり、

レザーフェアでぐいぐい相談した
タンナーさん(ご迷惑かけてたらどうしよう、、ていうか100%ご好意で受けてくださった。すみません。。)にお願いした白い革も今週受け取りに伺うし、

天然物の鯛焼きを焼いた
「やさしい革」の
タンニン生地で、
回転焼きと、せんべいも
作る予定なのですよ。

「やさしい革」のこげ茶と
ピッグスエードで、
栗饅頭のポーチも作りたいし、

やりたい事が大渋滞している。
楽しみにしていていただけたら、
幸いです!!!

焼き芋ウォーマー

業務用保冷/保温バッグなどを手がけております、
サンヨウキ様ご依頼の

「焼き芋ウォーマー」

試作を重ねつつ、
だいぶ形になってきました^^

焼き芋ウォーマー原案

三洋様が、
焼き芋を保温できるアイテム
「焼き芋ウォーマー」の
開発検討していたところ、
私の「焼き芋ポーチ」が
イメージ通りだったとの事で、
焼き芋ポーチの見た目で

A :「ある程度、いろいろなサイズの焼き芋に対応する形」
B :「焼き芋が美味しいとされる、60〜70℃をキープする仕組み」
C :「温かい食べ物を入れられる素材」

というものが作れますか?
とのご相談をいただきました。



ちょっと、話は飛ぶのですが
布小物を作るきっかけとなった
「おにぎり入れ」
実は、今年で10周年を迎えました!

それもあって、
お弁当や、食品に関わる事業を
もっと、キチンとやってみたいと、
思っていたのですよ。

でも、「おにぎり入れ」を作ったからこそ感じる
リアル食品を包むものの、
ハードルの高さもあって、、、

なかなか、踏み込めなかったのですが

温度実験の機械や、保温/保冷素材のデータを持つ
サンヨウキ様に、このタイミングでご相談いただけて

なんというご縁!!!
という事で、一緒に開発している次第です。

とはいえ、既存の「焼き芋ポーチ」を
「焼き芋ウォーマー」にするには
変更ではなくて、最初から作るので、、
紆余曲折しつつ、試行錯誤を重ねつつ、、

最初の案(マジックテープバージョン)

いろいろな焼き芋のサイズを
考えながら、あれやこれやと試作を重ねて、
フランスパンか?くらいまで大きくなったり笑

最初マジックテープ仕様で進めて
密封性がイマイチで、ファスナーに戻したりして

結局、オリジナルの焼き芋ポーチの外観とほぼ同じものに、落ち着いてきています。

なんだかんだ、この形が『焼き芋』らしいんだろうなあ^^

最終サンプルは、外側が通常生地で
内側は難燃性綿やアルミ箔断熱材、防水生地を使用しています。

内装ポケットに、USBヒーターや保冷剤を仕込む事で
ほかほか/ひんやり仕様になる。という仕組み。

ヒーターや保冷剤を仕込まなければ
普通にポーチとしても使えます。

サンヨウキさんが
保温実験をしたとの事で
結果が、こちら ↓↓↓↓↓↓

『サンヨウキ通信』焼き芋ウォーマー 近日在庫化!

温度試験のグラフで、表面温度が
途中にグンと下がっているのは
ファスナーを開けてみたタイミングとの事。

パソコンに繋いで、焼き芋を保温できる!!!
USBヒーターを仕込んで^^

温かさは、焼き芋ウォーマーの外側にも伝わるので
握るとホカホカしている。
冬のパソコン作業で、指が冷たなった時に癒されそう。
というか、肩とか首とかに置いちゃいそうだな。
うーん、今年は冬が待ち遠しいぞ。

これから、細部をもう少し改善して
秋頃には、販売開始できる予定です。

わー楽しみ!なんてったって、
保冷ボックスが沢山並んでいる
サンヨウキ様のウェブショップにですよ、
焼き芋ウォーマーが、ラインナップする光景!
想像するだけで、グッとくる。

真面目に、実用性のアイテムを作られているのに
焼き芋ウォーマーの企画が出る事自体、面白いし
その企画が通るなんて、本当、なんて素敵な会社なんだろう。


私の方のウェブショップでも
展開していく予定です。

わーわー!!!楽しみで仕方ない!!!

早くイベントもやりたいなあ^^!!!

ジュエリーオーダー/モミ粒ペンダント&ピアス

もみ粒ペンダント&ピアス

お客様からのご要望で、もみ粒ペンダントとピアスをお作りしました。

*穀物のジュエリー制作は、
オーダー制となります。
ご要望を形にするお時間を含め、
ゆっくりお待ちいただける方のみの
ご対応となります*

ペンダントトップの裏面にダイヤ一粒

ペンダントトップの形自体は
オリジナルのもみ粒ペンダントですが、

裏面にダイヤをご希望でしたので
石が入る厚みで、フォルムをお作りしました。

メレダイヤといえど、1.8mm直径は
存在感ありです^^

ネックレスは45センチまで長さ調整可能

14GF素材のネックレス
長さ調整がしやすいタイプにしました。

ご依頼いただいて、今回は

仕上がりの感じがわかるよう
まずは、シルバーで原型作り。

もみ粒から、芽が出るようなイメージで
金属を叩いて延ばしていき、

カーブをつけて、有機的なフォルムに。

「もやし」みたいで、可愛い^^

小さなアイテムなので、撮影の
手が震えないよう、気をつけつつ、、
最近のスマホは、カメラもすごい!
数年前は、一眼レフでやっとだった
もみ粒の細部が、綺麗に撮れました。



ネットを介しての、オーダーは
お客様も不安だろうな、、、
と思うので

こんな感じに、画像で
ご確認をいただいてから
18金素材に形を移していきました。

なので、
仕上がりまで、半年かかりましたが
お客様に、気に入っていただけたようで
ホッと一息している所です。

私のアトリエ設備、机一つ範囲内での
彫金作業だけど、一つ一つ
丁寧に作るのは、とても楽しい。

実は、ここ数年は
彫金道具を、片付けようかなと
迷っていたのですが
もうしばらく、置いておこうかな
と思います。



今月は、人形町BASEでの
量産作業に携わっているため
山ナ鞄の制作は、少し
ペースを落としております。

来月になったら、新作、
作りたいなあ!

あと、

保温保冷のいろいろメーカーさん
三洋様ご依頼のアイテム

『焼き芋ウォーマー』

そして、
同時に制作中の

『たい焼きカイロケース』も

形になってきましたので
少しずつ、ご紹介していけたらです^^

おにぎりトート/オキシクリーンで洗う

前回のブログで書きました、
オキシクリーン。

種類があったので「オキシクリーンEX」
を購入、早速試してみました。

ブログにするのが遅くなってしまいましたが、、

今回、洗う様子を、

定点動画で撮って見たのですが

結果、延々とただ洗っている。

という感じで笑
わかりにくかったので、

使って見ての感想を
文章でまとめる事に。

今回は、汚れが目立っていた
持ち手の、部分洗いをしました。

汚れ部分を、先に水で濡らしておき
ペースト状にしたオキシクリーンを塗布。
(上画像のピンク丸を参考にしました)

ブラシで汚れ部分になじませて、
5分放置、すすぎ。

塗布した箇所の境目が、

輪染みにならぬよう

ペーストに、水を足して
境目にブラシで塗布、5分待ち、すすぎ。

その後、もう少し薄くした液で
黒い部分以外の、全体をブラシで
洗って、すすぎ。

洗剤が取れるまで、数回すすぎ。

タオルドライ

形を整えて、

陰干し。

形を整えて、逆さに干すといい感じ。

結果は、いやあ
さすが、白くなります!
ウタマロ(固形。液体はまだ試してない)
も、白くなるけど
オキシクリーンもすごい。

帆布生地は
このように、

汚れの気になる箇所を
部分洗いしていくのが、

愛着も湧いて、良い
お手入れ方法なのかもな。

おにぎりトートのお直し

**********************
オキシクリーンを、おにぎりトートお洗濯に
使用する際は、汚れ箇所に直接洗剤をつけて
こする、「部分洗い」をおすすめします。

色移りの原因となりますため、「全体洗い」での
オキシクリーンのご使用はお控え下さい!
**********************

オキシクリーンを使用して
おにぎりトートをお洗濯されたお客様
より、色移りのご相談をいただきました。

お客様のおにぎりトート

お湯を使ったのも原因なのかも?
とおっしゃっていたのですが
干している間に、
じわ~っと黒い色が染み出して
広がってしまったとの事です。

ポケット部分から黒の染料が滲み出てます

色柄物もある程度まで大丈夫
と謳っているオキシクリーンですが、、

オキシクリーンなどの
「弱アルカリ性」洗剤は、
生地の繊維を緩ませて
汚れを出してくれるのですが、
繊維に絡めている、染料も
一緒に出やすくなるんですよ、、
(なんとも、上手くいかんもんです)

おにぎりトートに使用している
カラー帆布も、黒で染めてあるので
全体洗いは「中性」洗剤をおすすめしています。

*念のため、縫製前に水通しをして
余計な染料を抜いたりと、
通常のお洗濯での色移りは、ほぼ
大丈夫なレベルにしているのですが、

『オキシ+お湯』パワー、
おそるべしです。。。*

おにぎりトートを分解したところ

今回は、おにぎりトートを分解して
本体部分を新しく交換する事に。
古い方の本体は、お直しの研究材料
(染み取り方法や、洗濯方法の実験)
に使わせていただきます。

新たに縫製^^

ポケットについた線に沿って、
組み立て直していきます。
ポケットのクタッとした感じから、
このおにぎりちゃん、沢山大事に
使って頂いていたんだなと、
伝わってくるのですよ。嬉しい。。

*ちなみに、今回のお客様からは
沢山使ったし、お直しなんて申し訳ない
と、最初はご辞退いただいたのを
私が、やや強引に修理しました。

仕上がりました!

お直しした、おにぎりトートは
またお客様の元へお返しし、
お使いいただいています。

*****************
いままで、お洗濯方法の記述を
上履きに例えていたのですが、
そしたら、今の時代なら、
オキシ使おうってなるなあ、、、

お洗濯事情の変化とともに、
お手入れ方法も変わってくるなあ。

私は、洗剤の専門家ではないので
詳しい成分を見ることはできないのと、
水や洗剤の量、温度などでも
結果は変わってくるので
絶対大丈夫、などは
言えない事が多いですが。

お勧めしている固形石鹸も
弱アルカリなのですが、白い生地の
部分洗いに使用するのは大丈夫。
オキシも、部分洗いはOKだと思う。

オキシクリーンを購入してみたので、
今週末は、自分のおにぎりトートで
部分洗いを試してみようかな。
晴れたらいいなあ。

結果はまた、こちらに書きますね^^

おにぎりトートお手入れ方法おまとめ

お客様から、おにぎりトートの
お手入れ方法でお困りとの
ご連絡をいただきましたので
今一度、こちらにまとめてみました。

***
定番のおにぎりトートに使用している
生成りの帆布は100%木綿素材。

生活とともに、ちょっとずつくたびれていく感じが
味わいがあって、とても好きなのです。

とはいえ、使用頻度や使う環境で、汚れ具合が違って参りますため
お手入れが大変/おにぎりの色がくすむのはちょっと、、という方には
雨の日おにぎりトート『S』*帆布コーティング仕様
https://www.coqu-maho.com/items/44584204
をお勧めしています^^
M/Lサイズをご要望の方は、直接ご連絡ください!

**************
帆布お手入れのコツ/おまとめ
**************
【汚れ予防】
防水/撥水スプレー使用で、
汚れやシミ防止になります。

ご使用前はたっぷりと、
また季節ごとに、定期的に
スプレー塗布をお勧めいたします。

【白色帆布の部分:汚れ落とし】
持ち手部分などの皮脂汚れは、
汚れ部分を水で濡らし、
洗濯石鹸+ブラシでこすって、
汚れを浮かした後に
水やで充分にすすぎます。
(縫い目は避けてこすってください)

汚れがひどい時は、ウタマロなどの
蛍光剤入り使用お勧めです。
(使いすぎ注意、程度を見ながら)

すすぎ後は、
タオルである程度の水分を拭き、
形を整えて陰干し。

全体の軽い汚れは、
「中性洗剤」を使用して下さい。
*****************

洗濯機使用の際は、バッグの中に
バスタオルなどを詰めてネットに入れて、ドライクリーニングモードで行ってください。
洗剤少なめ/水多め/脱水なし、または1、2分程度でストップ/
形を整えて、日陰で充分に乾かす。

*サンプル制作時の、洗濯実験や細かなことを
ブログ記事にまとめてありますので
もしよかったらごらんください↓
https://www.coqu-maho.com/blog/2018/01/05/142512
https://www.coqu-maho.com/blog/2018/11/05/213751
https://www.coqu-maho.com/blog/2018/11/06/132557
記事は2018年当時のものとなります。

馬のはなむけに、コメ粒/モミ粒リング

2022年、最初の彫金は
コメ粒モミ粒リング
2本セットの制作です。

2週間後に海外に行かれるとの事で、
その前に、在庫があれば…、
とのお問合せを頂いたもの。

彫金机周りを 隈なく探した所、
運良く、作業途中のものを見つけ、
サイズを調整、コーティング仕上げに
御徒町に駆け込み、無事
完成しました!!!

一からの制作ですと
2〜6ヶ月お待ち頂くのですが
御守りとして、身に付ける方も多い
穀物ジュエリーですので、
海外に行かれるタイミングに
間に合って良かった〜!

*業者さんを通す作業もあるし、
他の方が待っておられたりもしまして
ジュエリーに関しては特に、お急ぎの
ご要望は、本来ならお断りしています*

制作途中のものを、しかも
コメ粒/モミ粒の
2本分、見つかるという奇跡!!!

お客様の、馬のはなむけに
と思いつつ、お包みいたしました。

今頃、地球のどこかで
コメ粒とモミ粒を
身につけてくださっているのかな?

海外生活の
不安とワクワクに、
幸あらんことを願うのです^^

モミ粒ペンダント

屋号に、[鞄]
という文字を入れてしまったため
ちょっと分かりづらいですが、
実は、彫金制作も行っております。

*我が家の稼業が玩具試作なので
Yamanaka(家名)とBumblebee(変形玩具)
の鞄語(portmanteau)を、屋号にした次第。*

通常作業の合間に制作するため、
納期が2〜6ヶ月と、
ばらつきがありますので、、
現在は、お待ちいただける方にのみ
こっそりと制作しております。

ご希望の方は、
[山ナ鞄]WEB SHOP
よりお問い合わせください。

モミ粒ペンダント:
トップ18k/チェーン14gf

人生の節目ごとに、
モミ粒シリーズを
お求め下さっている方へ
お作りしました。

シンプルに、
モミ粒のフォルムと
チェーンが通る部分が
一体化しているトップを
チェーンにお付けしました。

モミ粒から、芽が出ている感じが
個人的に気に入っているのです。

↑ 梨地仕上げをしているところ。
金剛砂を漏斗で落として、
やや重めのマットに仕上げます。
仕上げの仕方は、作家さんによって
ちょとずつ違うんだろうな。

通常は2か月、長い時は半年以上
お待ち頂くのもあって、
実は毎回、ご依頼を受けるのは
これで最後にしようと
思ったりするのですが、、

小物の制作とはまた違う、
彫金に集中する
時間の流れの中で
考えたり、
想い出したりする事も多く

緊張はするけど
(近年のゴールド価格たるや…)
やはり、好きな作業なんだなと、
大切なんだな、と毎回思う。

なので、
ご要望があれば、
作り続けていこうかな。

しかし、

いろんな素材の業者さんに
パッとお願いできるという、、
この動きが出来るのは
東京の東の端っこに
現在住んでいるからであって
将来の事はわかりませんなあ。

今だけのものを、
精一杯作っていくのです^^

エアバッグで疲労困憊した話

量産のお仕事で、
エアバッグとの廃材を扱ったので
その、素材に関する忘備録となります。
(ご依頼のお品なので、意匠や用途の具体的な記述は無しです。)

1週間の予定で行なった作業ですが
下記の通り、予想以上の困難で
倍の日数かかってしまいました(T ^ T)

*****
[山ナ鞄]のアイテムを
お待ちいただいているお客様には
通常より、お届け日にちを
いただいてしまい
大変申し訳ございません、、、
本日より、通常作業に戻ります。
焼き上がり次第、
順次発送して参りますので
今しばらくお待ちください。
*****

まず、最初に結論を言うと
私の作業スペック(工業用厚物ミシン/最大糸8番ー針25号)
で、1点ものは作れど
「量産」はギリギリアウトな
素材でした (T ^ T)

*****
糸の番手は
数が少ないほど太くなり
針は数が大きいほど太くなります。

お洋服は糸90〜50/針9〜11
お財布や鞄は糸20〜8/針14〜19
を、通常使用します
(モノによって、少し変わります)

忘備録のため、わかりにくい表現や数字が多くなります、すみません、、
*****

サンプルを制作した時点
(20番糸で2個/8番糸で1個制作)
では、糸調子が難しいというか
時々糸が生地に引っかかるのと

厚みに対して、
かなり硬い感じだなと思ったけど

20番糸/16番針
8番糸/18番針で縫えたのと、
仮止め用の両面テープ/熱粘着シートも
きちんと付いたのですが

いざ、黒40白40の
量産作業を開始したら

一枚一枚の個性が違いすぎて、、
いや〜、絶対になりたくない
やんちゃクラスの担任を
受けてしまった感じというか。。。

具体的に言うと、
糸調整が、一枚ずつ異なる
両面テープがつく/つかない
粘着シートがつく/つかない
両テと粘着の両方使いでOK
両方でもダメ。
などの違いが、作業をしていて
どんどん出てきて

染料(黒色は染料の粒が多くて、縫いの邪魔になる時がある)のせいか?

生地かな???
生地は、黒だと見た感じで
トロミ/ゴワ/ゴワゴワ/ちりめん
トロミ→縫いにくい/ちりめん→縫いやすいという感覚。
ゴワやゴワゴワは、縫えるけど仮止めに難あり
の傾向だけど、その分類内で
予想できない事も、沢山あるから、、、

エアバッグを解体する際に
使用した、なんらかの汚れだったり
薬品だったりの付着が原因???

など、試行錯誤しつつ
でも納期があるので、
とにかく仕上げなければ。と、
量産なのに、1点ものを沢山作る。
という動きを、しつつ

うっすら
トロミが悪い???
と思いつつ

なんとか黒を納期内に仕上げ、、

白の作業に入った段階で
白は、見た感じが全て似ているし
もし、染料が原因なら
もう大丈夫!!!?!

と、縫ってみたところがこちら↓

8番糸/目飛び防止針21番
同じ糸調子で縫った所、

上から、見事に
縫える

糸のほつれあり

縫えない

と、なんとまあ!
綺麗な縫製サンプルが
取れましたよ!0_0!

****

これは、完全に
生地自体に原因がある。
そして、それは多分トロミ。

でも、白はほんと
ぱっと見、ほぼ同じ。
トロミもゴワもゴワゴワも
判別ができないーーーーー!!!!!
(唯一、ちりめんはわかる)

*****************
ちょっとこれでは作業ができません
だってサンプルと違う子がいる。
そして、それがどれだかわかりません
*****************

という理由で
納期を延ばしてもらいつつ
自分の作業所ではない、
スペックの高い場所で
作業をさせてもらい、
昨日、やっとなんとか
80枚仕上げて参りました。

ミシン屋さんや糸屋さん
糸会社の友人などに
相談して、白の打開策は

隠れトロミ素材に合わせて
全てを糸8番/24番チタン針
(画像のはチタンではないけど)
を使用したのだけど

一番重なる部分は、見えない箇所を
先に、手で穴を開けてやっとという。
いや〜、恐ろしい。

24の針は、初めて使用しました。
針の部分が2ミリくらいで、
5番や0番糸で使うやつです。
厚物ミシンでもギリ入るけど、
もう一つ大きなミシン(極厚物)
でないと、ちょっと厳しい太さ。

糸屋さんに、24なんて使ってたら
ミシンおかしくなるよ。と、

ハイテク素材、恐ろしや、、、

画像の上から
ゴワ/白トロミ/黒トロミ/ちりめん
サンプルは、
一番縫いやすいちりめんと
かたいけど縫えるかなのゴワでした。

4分の1強の確率で入っていた
トロミちゃん。
サンプル時に、何故使用しなかったのか、、
敗因のひとつだなあ。。

縫えないトロミ生地は、
端からほつれてくる
繊維が、ナノファイバー的に
見たことない細さで、
引っ張っても、
決してちぎれることは
ないのです。

こんな感じに観察したり、
調べたりして
今のところ思うのは

エアバッグに使用されているのは
ナイロン66という超素材で、
時代によって、
樹脂コーティングしたり
細かい繊維を、熱加工で
均一に縮めたりして、防気性を高めたりと
常に、最先端のハイテク技術が
詰まって要るわけで。

廃車の車から取り出すエアバッグは
車種や年式もバラバラで
その時代や車両のサイズに合わせた
用途で開発されてきた素材は
そりゃ、個性がでるわな。

そして、そもそも
防気性の強い素材に
太い針で穴を開ける自体
まあ大変な事ですよね。

人を守る素材のすごさを
一心に受けたこの2週間で
相当なダメージを受けて
疲労困憊、、トホホです
(七日目あたりが特に)

見た目に反して
いや見事に騙されたというか、
自分の中の、
危険信号が働かなかったのは
修行が足りてないんだなあ、、と
結構凹んだ2週間でした。。。

あー、でもとりあえず
仕上がってよかった!!!

しかし、糸の素材を変えたら
もしかしたら縫えるのか???
ロックミシンは難なく使えたので
もっと適した縫製方法が
あるのでは?

もし、自分の所で縫えるのなら
おにぎりお買い物バッグの
素材に使ってみたいぞ!

と、通常仕事に戻った瞬間に
こんな感想が頭に浮かぶ
懲りていない自分がいて、、
ちょっと、怖くもあります。